個人再生するとクレジットカードはどうなる?いつ作れる?代替手段も紹介
投稿日: 2025.04.17 | 更新日: 2025.04.17

「個人再生したらクレジットカードはどうなる?」
「個人再生後にカードがいつ作れるか知りたい」
個人再生は、裁判所を通じて借金を5分の1〜最大10分の1にまで減額できる手続きです。
個人再生するとクレジットカードは強制解約され、5〜7年は新規作成や利用ができなくなるため、注意が必要です。
この記事では、個人再生後のクレジットカードへの影響や、再発行できる時期について解説します。
個人再生中・後に利用できるクレジットカードの代替手段も紹介するため、個人再生を検討している人は参考にしてください。
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個人再生でクレジットカードはどうなる?

個人再生すると、クレジットカードは基本的に次の状態になります。
- 利用中のクレジットカードは強制解約される
- 未使用のクレジットカードも利用停止になる
それぞれ詳しく解説するため、参考にしてください。
利用中のクレジットカードは強制解約される
個人再生した場合、利用中のクレジットカードがあっても強制的に解約されます。
弁護士に依頼した時点で、債権先であるカード会社へ受任通知が送られ、個人再生しようとしている事実が伝わるためです。
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、たとえキャッシング枠を利用していなくても同様の措置が取られます。
未使用のクレジットカードも利用停止になる
未使用で債務のないクレジットカードがあったとしても、いずれ利用できなくなる可能性が高いでしょう。
債務のないクレジットカードは個人再生手続きには含まれないため、即座に使えなくなるわけではありません。
しかし、クレジットカードには途上与信(とじょうよしん)という仕組みがあり、ユーザーの信用情報を定期的に審査しています。
途上与信や更新のタイミングで信用情報をチェックされると、個人再生したことが伝わり、その時点で解約となります。
逆に言うとそれまではカードが使えますが、新たに借金するのと同じことになり、個人再生手続きに影響が出る恐れもあるため避けてください。
個人再生後にクレジットカードが作れるのはいつ?

個人再生後にクレジットカードが作れるのは、完済から5〜7年後が目安です。
個人再生すると信用情報に事故情報が載るため、その間はクレジットカードの作成や利用はできません。
信用情報機関には次の3つがあり、加盟業者や記載される期間がそれぞれ異なります。
信用情報機関 | 主な加盟業者 | 記載される期間 |
CIC 株式会社シー・アイ・シー | クレジットカード会社 消費者金融 | 5年 |
JICC 株式会社日本信用情報機構 | 消費者金融 保証会社 | 5年 |
KSC 全国銀行個人信用情報センター | 銀行 信用金庫 | 5〜7年 |
事故情報の掲載期間は完済した日が基準ですが、多少の前後があり、必ず5年後・7年後の日付に消えるわけではないため注意してください。
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個人再生後にクレジットカードを作る際の注意点

個人再生後にクレジットカードを作る際の注意点は次のとおりです。
- 事故情報が消えたか確認する
- 債務整理していないカード会社を選ぶ
- 複数社への多重申し込みは避ける
- 審査基準を満たすための行動をとる
1つずつ解説します。
事故情報が消えたか確認する
まず、信用情報の事故情報が消えたかどうか、必ず確認してください。
事故情報が記載されている限り、カードの新規発行は難しいでしょう。
クレジットカード会社が加盟している信用情報機関に情報開示を申し込むと、自分の信用情報を確認できます。
500〜1,500円程度の手数料でできるため、目安の時期が来たら確認するのが確実です。
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債務整理していないカード会社を選ぶ
新たにクレジットカードを作る場合、過去に債務整理したカード会社は避けたほうが無難です。
信用情報から事故情報が消えても、カード会社には債務整理したデータが残ることがあります。
これを「社内ブラック」といい、永久的にカードの新規発行ができない可能性があるのです。
クレジットカードを作る可能性を上げるためにも、債務整理していないカード会社を選んでください。
複数社への多重申し込みは避ける
複数のクレジットカード会社へ同時に申し込むこともおすすめできません。
申し込み状況は信用情報を見ればわかるため、たくさんのカードに申し込むほど「お金に困っている人」と判断されやすく、審査で不利になる可能性があります。この状態を「申し込みブラック」といいます。
また、多重申し込みで審査落ちした場合もその事実が信用情報に記載されるため、次に申し込んだカードも審査落ちしやすいという悪循環になってしまいます。
カードの申し込み状況が登録されるのは、通常6ヶ月以内です。一度審査落ちしてしまった場合は、6ヶ月以上あけて申し込むといいでしょう。
審査基準を満たすための行動を取る
クレジットカードの審査に通りやすくするためには、次のような行動を意識して取ってください。
- 安定した収入と勤続年数を確保する
- 公共料金や携帯電話料金を遅れずに支払う
- 限度額を低めに設定する
- キャッシング枠をつけない
収入や職業の安定性、これまでに公共料金などの遅延がないかどうかは、審査に大きく影響します。
また、限度額を低めに設定し、キャッシング枠をつけないこともポイントです。
事故情報が消えたばかりで何も情報がないときは、カード会社も支払い能力を判断しづらいものです。
まずはカードを作成してから、実績を積み上げてから限度額を上げたり、キャッシング枠をつけたりするといいでしょう。
個人再生中・後に利用できるクレジットカードの代替手段6つ

個人再生中・後に利用できるクレジットカードの代替手段は、次の6つです。
- デビットカード
- 交通系ICカード
- QRコード決済
- プリペイドカード
- デポジット型クレジットカード
- 家族カード
順番に詳しく解説します。
1.デビットカード
デビットカードは銀行口座と連携しており、利用すると即座に口座から引き落とされるタイプのカードです。
一時的にカード会社からお金を借りて支払うクレジットカードとは異なり、デビットカードは自身のお金で支払うため、審査なしで作れます。
債務整理していない銀行のキャッシュカードは、そのままデビットカードとして使えるため、新たに発行する必要もありません。
口座の残高以上の利用はできないため、残高不足にならないよう計画的に使う必要がありますが、使いすぎの防止にもつながるでしょう。
2.交通系ICカード
交通系ICカードは公共交通機関での利用のほか、スーパーやコンビニでも利用できる支払い方法です。
交通系ICカードの例
- Suica
- PASMO
- ICOCA
- PiTaPa
- SUGOCA など
利用自体は問題ありませんが、チャージ方法には注意してください。
クレジットカードやキャリア決済でのチャージは後払いになるため、個人再生手続きに影響が出たり、特定の債権先にのみ返済する偏頗弁済(へんぱべんさい)とみなされたりするリスクがあります。
チャージは現金・銀行口座・ポイントのいずれかで行うといいでしょう。
3.QRコード決済
QRコード決済は、銀行口座と紐づけることでキャッシュレス決済に利用できます。
種類や使える店舗も年々増えており、ネットショッピングで利用しやすいのがメリットです。
QRコード決済の例
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- LINE Pay
- au PAY
- メルペイ など
個人再生前にクレジットカードと紐づけて使っていた場合は、誤ってカード払いしないよう、必ず変更しておいてください。
4.プリペイドカード
プリペイドカードは、事前にお金を入金(チャージ)し、その分を利用するカードです。
使い切り型とチャージ型があり、普段づかいとしてはチャージ型が主流です。
タイプ | 種類 |
使い切り型 | 図書カード QUOカード |
チャージ型 | nanaco WAON 楽天Edy など |
その都度チャージが必要で手間がかかるほか、残高不足にならないよう注意しなければなりません。
とはいえ、審査なしで作れる点や、自分で入金した分しか使えないため使いすぎを防げるのがメリットです。
5.デポジット型クレジットカード
デポジット型クレジットカードは、事前に保証金(デポジット)を預け入れることで、クレジットカードのように使えるカードです。
保証金があることで審査に通りやすく、デビットカードのように残高を気にしたり、プリペイドカードのようにチャージしたりする必要もありません。
デポジット型クレジットカードの例
- ライフカード
- ラグジュアリーカード
- Nexus Card
- modecca デポカード
ただし、高額な買い物は難しく、一定の金額を事前に用意しなければならない点に注意が必要です。
保証金の金額が限度額となり、例えばライフカードなら3・5・10万円から選べるため、それ以上に使いすぎることを防げるでしょう。
6.家族カード
家族名義のクレジットカードの家族カードであれば、個人再生中や個人再生後でも利用可能です。
家族カードはクレジットカードの所有者本人の信用情報のみが確認され、使用する人が審査されることはありません。
利用明細や金額を家族に知られるのがデメリットですが、家計管理しやすくなるメリットもあります。
個人再生中の注意点

個人再生中では、次のことはしないよう注意が必要です。
- クレジットカードの現金化はしない
- 特定の債権者に優先的に返済しない
1つずつ解説します。
クレジットカードの現金化はしない
クレジットカードの現金化はしないようにしてください。
クレジットカードの現金化とは、カードのショッピング枠でブランド品・iPhone・ゲーム機などを購入し、業者に売って現金に換える行為をいいます。
クレジットカードの現金化はカード会社の規約違反であり、個人再生が認められない恐れもあるため、絶対にやめてください。
特定の債権者に優先的に返済しない
特定の債権者に優先的に返済することも、個人再生では禁止されています。
この行為は偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれ、個人再生の「すべての債権者を平等に扱う」というルールに反してしまいます。
個人再生手続き中にやってはいけないことを把握し、成功確率を少しでも上げられるようにしてください。
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個人再生でやってはいけないことは?メリット・デメリットも解説
弁護士に個人再生後の生活計画を立ててもらうのもおすすめ

個人再生では再生計画の作成はもちろん、返済中の生活設計まで含めて、弁護士に相談に乗ってもらうのがおすすめです。
認められれば大幅な減額が見込めるとはいえ、3〜5年は返済が続き、一定期間はクレジットカードも使えません。
その間に転職・失業したり、子どもの進学などで教育資金がかさんだり、家や車が必要になったりと、突発的な収支の変化が起こることもあるでしょう。
そうなったときでも遅れずに返済できるよう、実現可能な範囲での再生計画を立てた上で、支払いが難しくなったらすぐに弁護士に相談することが重要です。
個人再生してクレジットカードが使えなくても代替手段で乗り越えられます

個人再生すると利用中のクレジットカードは解約され、借金完済から5〜7年経つまで利用できません。
再びクレジットカードを作る際は、債務整理していないカード会社を選び、多重申し込みは避ける必要があります。
とはいえ、近年ではキャッシュレス決済や交通系ICカードなどが普及し、クレジットカードに替わる多様な手段があります。
実際に、「クレジットカードがなくてもそこまで困らなかったから、早く債務整理すればよかった」と考える人も多いのです。
多額の借金を抱え続けるよりも、個人再生で大きく借金を減らし、再出発をはかるほうがずっと自分のためになります。
クレジットカードが使えない間は、代替手段で乗り切ることを検討してみてください。
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