自己破産の反省文の例文はこれ!必要な文字数やポイントを解説
投稿日: 2025.04.22 | 更新日: 2025.04.22

「自己破産の反省文ってどんなもの?」
「反省文を書くポイントや注意点が知りたい」
ギャンブルや浪費が原因で自己破産した場合、裁判所へ反省文の提出が求められるケースがあります。
しかし、どんな内容を書けばいいのかわからない人も多いでしょう。
この記事では、自己破産の反省文が求められるケースや、反省文の例文を紹介します。
反省文を書く際のポイントや注意点も解説するため、反省文の書き方に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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自己破産の反省文とは?陳述書との違い

反省文とは、ギャンブルや浪費などが原因で自己破産した場合に、裁判所へ提出する文章です。
反省文と似たものに陳述書(ちんじゅつしょ)があり、どちらも自己破産の手続きで使われる書類ですが、目的や内容に違いがあります。
以下の表でその違いを見てみましょう。
反省文 | 陳述書 | |
必要性 | 免責不許可事由がある場合に提出する | 全員が提出する |
記載内容 | 反省や謝罪の気持ちを書く | 借金額や原因などの状況を書く |
作成方法 | 手書きが推奨される | パソコンで作成してもよい |
提出時期 | 手続きの途中 | 申立て時 |
陳述書は申立て時に全員が提出するもので、借金額や原因などの事実のみを記載し、裁判所はこれをもとに免責を許可するか判断します。
反省文は、自己破産できない条件である免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)がある場合に提出するもので、反省や謝罪の気持ちを伝えることが目的です。
自己破産で反省文が求められるケース

自己破産で反省文が求められるのは、免責不許可事由に当てはまる場合です。
免責不許可事由とは、自己破産できない条件を定めたもので、主に次のものがあります。
- 財産を隠す・壊す・不当に安く売るなどして債権者に損害を与える行為
- 高金利の借入やクレジットカードの現金化など破産開始を遅らせる行為
- 特定の債権者だけに優先的に返済する行為
- 浪費やギャンブル、パチンコ、FX、ホストクラブ通いなどの借金
- 虚偽の申告や嘘の借入
- 過去7年以内に自己破産や個人再生をした
上記のような行為をした人は、原則、自己破産が認められません。
しかし、反省文を書いて借金した経緯や事情、反省している気持ちなどを伝えることで、裁判所の裁量によって自己破産が認められるケースもあります。これを裁量免責(さいりょうめんせき)といいます。
裁判所に「きちんと反省している」ということを伝え、免責を認めてもらうためには、反省文の書き方が非常に重要になるのです。
自己破産の反省文で重視されるポイント

反省文と聞くと難しく感じるかもしれませんが、次の4点を押さえて書くのがポイントです。
- 借金した原因を理解しているか
- 自己破産になるまでの状況や気持ちはどうか
- 自分が周囲に与えた影響を理解しているか
- 今の生活状況からどう改善するのか
順番に解説します。
借金した原因を理解しているか
まずは、最後の改善策の内容に繋げやすいように、借金の原因から書いていくのがおすすめです。
何がきっかけで借金してしまったのか、免責不許可事由に至ってしまった理由は何なのかを、順を追って説明してください。
自己破産になるまでの状況や気持ちはどうか
次に、自己破産になるまでの状況や、どんな気持ちだったかを書きます。
だんだんと借金が膨らんでいき、どうしても自己破産を選ぶしかなかったという正直な気持ちを伝えるのが重要です。
自分が周囲に与えた影響を理解しているか
次に、自分が周囲に与えた影響を理解しているかを記載します。
心配をかけた友人や家族、お金を借りた債権者、会社の人など、借金で多くの人に影響を与えているはずです。
どのような迷惑をかけたか、自分自身としっかり向き合って考えてみてください。
今の生活状況からどう改善するのか
もっとも重要なのが、今の生活状況からどう改善していくのかの部分です。
裁判官は、自己破産後に同じ過ちを繰り返さないかどうかをチェックします。
心から反省していて、もう同じ行為は繰り返さず、今後は真面目に働いて生活を立て直すという気持ちをきちんと伝えることが大切です。
例えば、ただ「パチンコをやめる」だけでは説得力がありません。
次のように、具体的にどんなことでやめる努力をしているかを記載するといいでしょう。
- 家族と同居してパチンコに行かないように監視してもらう
- 病院でギャンブル依存症の治療を受ける
- お金の管理は家族と一緒にする
「今後二度と同じ失敗をしない」という気持ちを、反省文で知ってもらうことが大切です。
自己破産の反省文の例文を紹介

それでは、「自己破産の反省文で重視されるポイント」の見出しで解説した内容に沿って、実際に反省文の例文を紹介します。
【前置き】
私◯◯(名前)は、多額の借金をして返済できない状況になり、多くの方にご迷惑をおかけしたことを心より反省しています。
【借金した原因:ギャンブル】
借金のきっかけは、学生時代に先輩に連れていかれたパチンコでした。その時に大勝ちしてしまったことで、ギャンブルにハマってしまいました。
パチンコはストレス解消にもなっていたため、会社で嫌なことがあるたびに、どんどんのめり込んでいったのです。
パチンコで負けが増えてくると、ますますパチンコで取り返さなければという気持ちになりました。
気づけばパチンコ以外のギャンブルもするようになり、生活費が足りなくなったことから借金が始まりました。
【自己破産になるまでの状況や気持ち】
最初は、パチンコやギャンブルで勝てば返済できると簡単に考えていました。
しかし当然勝てるわけもなく、返済のために借金を繰り返すようになりました。
借金が返せないことで夜も眠れなくなり、自分の行動を心から後悔するようになったのです。
【自分が周囲に与えた影響や反省】
すべては、自分自身の自制心のなさが招いた結果だと思います。
お金を貸してくれた方をはじめ、家族や友人、職場の方にまでたくさんご迷惑をかけてしまったことを、深く反省しています。
特に、家族や友達からは何度も止められたのにギャンブルをやめられず、たくさん心配をかけてしまいました。
【生活状況の改善とまとめ】
今はギャンブルをやめるために家族と同居し、依存症治療も受けています。
また、同じ病気で苦しむ友人とも出会い、お互いに依存から抜け出すために頑張っているところです。
今後は、みなさまにご迷惑をかけないよう、より一層努力していきたいと思います。(終)
なお、例文の内容をそのままコピー&ペーストするのはおすすめしません。
申立て時に提出した陳述書で、借金の状況はすべて裁判官に知られているため、きちんと自分の言葉で書かないと見抜かれてしまいます。
例文はあくまで参考材料の1つにして、自分なりの誠意をもって書くようにしてください。
反省文を作成する際の注意点

反省文を作成する際の注意点は次のとおりです。
- 文字数は1,000~2,000字を目安にする
- 文章がうまくなくても正直に書く
- 記憶が曖昧な部分は弁護士と一緒に確認する
1つずつ解説します。
文字数は1,000~2,000字を目安にする
反省文の文字数は、1,000~2,000字を目安にするといいでしょう。
具体的な文字数が決まっているわけではありませんが、長すぎても内容がまとまらず、短すぎても誠意が伝わりません。
そのため、原稿用紙2〜3枚程度、文字数にして1,000~2,000字程度が適切な長さといえます。
ただし、文字数にこだわるよりも、大切なのは必要な内容がしっかり書けているかどうかです。
反省文の内容に自信がなければ、提出前に弁護士に見てもらってください。
文章がうまくなくても正直に書く
反省文は、たとえ文章がうまくなくても、正直に書くことが大切です。
作文が苦手という人は多く、「文章がうまくなければ自己破産が認められないのでは?」と考えるかもしれません。
しかし、自己破産の反省文は完成度を競うものではなく、あくまで反省している気持ちを伝えることが重要です。
心をこめて書けば、その気持ちはきっと裁判官にも伝わるでしょう。
記憶が曖昧な部分は弁護士と一緒に確認する
反省文を書くにあたり、記憶が曖昧な部分があった場合は、弁護士と一緒に確認してみてください。
借金をいつ、誰に、どのくらい借りたかという事実は、自分でもはっきり覚えていないケースがよくあります。
しかし、あまりに具体的な情報が分からないと、裁判所からつっこまれる恐れがあります。
弁護士は、債権者から貸し借りの履歴を取り寄せられるため、弁護士と一緒に確認しながら時系列を整理すれば大丈夫です。
反省文を提出しても自己破産できないときの対処法

もし、反省文を提出しても自己破産できないときは、次の方法で対処してください。
- 即時抗告する
- 個人再生を検討する
それぞれ詳しく解説します。
即時抗告する
まずは、裁判所に対して異議を申立てる「即時抗告(そくじこうこく)」という方法があります。
即時抗告する場合は、「自己破産を許可できない」という通知が出てから1週間以内に行ってください。
ただし、裁判所が下した判断はよほどのことがない限り覆せず、成功率は低い方法です。
個人再生を検討する
即時抗告が認められなかった場合は、個人再生を検討します。
個人再生は、借金額に応じて5分の1〜最大10分の1まで減額できる方法です。
自己破産とは異なり、手続き後も5〜7年は返済が続くものの、借金を大幅に減らせる可能性があります。
自分が個人再生できるかや、個人再生した場合の返済額などについては、弁護士に改めて相談してみてください。
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自己破産の反省文の作成は弁護士に相談しよう

ギャンブルなどを理由に自己破産する場合は、反省文が必要になるケースがあります。
うまく書けないという場合は、弁護士に相談したり、添削してもらったりするといいでしょう。
反省文は、自分なりの言葉で正直な気持ちを伝えることが重要です。
今回紹介したポイントを参考に、反省の気持ちが伝わる反省文を作成してみてください。
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