自己破産すると分割支払い中のau携帯はどうなる?
投稿日: 2025.04.26 | 更新日: 2025.04.26

「自己破産すると分割支払い中のau携帯が強制解約されるって本当?」
「携帯分割中に自己破産したらどうなる?」
自己破産すると一定の財産は没収されますが、日常生活に必要な家電製品や携帯電話などは手元に残せます。
ただし、携帯電話の本体代金を分割支払いしている場合は注意が必要です。
この記事では、自己破産した場合の分割支払い中のau携帯がどうなるのかを解説します。
自己破産後に新規契約できるのかや、自己破産後の強制解約を防ぐ方法も紹介するため、自己破産と携帯電話の関係が気になる人はぜひ参考にしてください。
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自己破産すると分割支払い中のau携帯はどうなる?

自己破産しても、基本的に携帯電話はそのまま使い続けられます。
ただし、次に当てはまる場合は注意が必要です。
- 機種代金を分割支払い中の場合は強制解約される
- 利用料が滞納・未納の場合も強制解約される
- 没収対象になることはほとんどない
1つずつ詳しく解説します。
機種代金を分割支払い中の場合は強制解約される
機種代金を分割支払い中の場合は、契約が強制的に解約となります。
docomo・au・SoftBankの大手携帯キャリア3社では、割賦(かっぷ)購入契約に「破産手続き開始決定が行われた場合は契約を解除する場合がある」と記載されています。
機種代金の支払い中は携帯会社が債権者であり、自己破産した事実も通知されるため、隠すことはできません。
12回払いや24回払いなどで携帯電話を購入している人も多いため、自己破産前は、機種代金の残債がないか確認してみてください。
なお、携帯電話会社との通信契約が解約されると電話番号は利用できなくなりますが、Wi-Fiを利用したインターネット通信であれば、自己破産後も問題なく利用できます。
参考:au「個品割賦販売契約(分割払い)にあたって(補足)」
参考:ドコモ「割賦販売契約約款」
参考:SoftBank「割賦購入契約について」
利用料が滞納・未納の場合も強制解約される
携帯電話の利用料を滞納している、または未納の場合も、強制解約される可能性が高いでしょう。
滞納や未納は、契約している携帯会社に借金をしているのと同じ状態です。
自己破産すると利用料の支払い義務が免除される代わりに、各キャリアの契約にしたがって、携帯電話も使えなくなるのです。
もし、自己破産する人の名義で家族の携帯を契約していた場合、家族全員の携帯も強制解約となるおそれがあります。
ただしこれは本体代金や利用料を滞納していた場合で、きちんと支払っていれば、自己破産しても強制解約にはなりません。
携帯電話会社によっては、名義変更で契約を継続できるケースもあるため、確認してみてください。
没収対象になることはほとんどない
自己破産しても、携帯電話を没収されることはほとんどありません。
「自己破産すると財産を失う」というイメージが強いと思いますが、生活に必要な最低限の家具・家電や99万円以下の現金、20万円以下の預貯金などは手元に残せます。
さらに、財産は購入金額ではなく時価で計算されるため、20万円以上の価値がある携帯電話を使っていることは考えにくく、多くはそのまま使い続けられるでしょう。
自己破産したあとにau携帯は新規契約できる?

自己破産したあとの携帯電話の新規契約時は、次のポイントを押さえておいてください。
- 自己破産後でも携帯は新規契約できる
- 過去に利用していた携帯会社は新規契約できない可能性がある
- 自己破産後5〜7年間は携帯の分割購入はできない
1つずつ詳しく解説します。
自己破産後でも携帯は新規契約できる
自己破産しても、携帯電話の新規契約は可能です。
携帯電話料金の未納・滞納に関する情報は、電気通信事業者協会(TCA)という機関で管理されており、各携帯電話会社と情報を共有しています。
携帯電話の新規契約時は、TCAの情報を参考にして審査を行い、未納・滞納がある場合は新規契約を断られてしまいます。
しかし、自己破産すればTCAの情報も削除されるため、免責決定後であれば新規契約が可能です。
自己破産する前や手続き期間中は、まだTCAに携帯電話料金の未納・滞納情報が残されている点に注意が必要です。
新規契約は、あくまでも手続きがすべて終わってから行ってください。
過去に利用していた携帯会社は新規契約できない可能性がある
自己破産後の携帯電話の新規契約は、過去に利用していた会社では難しい可能性があります。
TCAの情報は自己破産後に削除されますが、それとは別に、各携帯会社でも顧客データを独自に記録しています。
すると、利用料金の未納や滞納がありながら自己破産したことがわかるため、申し込みを断られる可能性が高いでしょう。
その場合は、これまでに利用していなかった携帯会社での契約を検討してください。
自己破産後5〜7年間は携帯の分割購入はできない
自己破産してから5〜7年間は、携帯電話の分割購入はできません。
携帯電話の分割購入はローン契約にあたるため、携帯電話会社は、TCAではなくCICという信用情報機関で情報を確認します。
機関 | 記録される情報 |
TCA(電気通信事業者協会) | 携帯電話料金の不払い情報 |
CIC(貸金業法指定信用情報機関) | クレジットカードやローンなどの支払い状況遅延履歴債務整理の履歴など |
自己破産するとCICに事故情報が記録され、いわゆるブラックリストになるため、新規クレジットカードの作成やローン契約ができなくなります。
ブラックリストが消えるまでの5〜7年間は、分割購入以外で携帯電話を利用する必要があるのです。
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自己破産した後に携帯を利用する方法5つ

自己破産した後に携帯を利用する方法は、次の5つです。
- 本体を一括購入する
- 家族名義で新規契約する
- 格安SIMを利用する
- レンタル携帯を利用する
- 預託金制度を利用する
順番に解説します。
1.本体を一括購入する
まずは、携帯電話の本体を一括購入する方法があります。
自己破産後は分割購入は断られる可能性が高く、ローンが組めないためです。
最新機種は高額ですが、中古のスマホ本体とSIMカードを購入すれば、費用を抑えやすくなります。
最近のスマホは性能がよく、中古でも十分使える機種が多くあります。
リサイクルショップや中古端末販売店、ネットショップなどで探してみるといいでしょう。
携帯電話本体の中古販売店の例
- 認定中古iPhone
- ゲオモバイル
- イオシス
- にこスマ
端末ごとに使用するSIMカードが異なるため、買うときはよく確認してください。
2.家族名義で新規契約する
一括購入が難しい場合は、家族の名義で分割での新規契約する方法もあります。
自己破産しても、申立てた人本人の財産や信用情報にしか影響はなく、家族名義での契約に問題はありません。
配偶者などの家族がおり、最新機種を使いたい場合は、分割購入できる方法としておすすめです。
ただし、家族の理解を得た上で購入し、毎月の支払いを滞らせないよう注意してください。
3.格安SIMを利用する
自己破産後に、大手キャリアでの携帯電話の契約が難しい場合は、格安SIM会社を選ぶのも方法の1つです。
格安SIM会社の中にはTCAに加盟していない業者も存在するため、携帯電話料金の未納・滞納情報の影響を受けません。
格安SIM会社の例
- Y!mobile
- 楽天モバイル
- LINEMO
- IIJmio
- mineo
ただし、格安SIMの通信エリアや品質は会社によってまちまちで、住んでいる場所によっては使いづらいケースもあります。
また、支払い方法をクレジットカードに限定している場合もあるため、デビットカードなど他の支払い方法を利用できるか確認しておくといいでしょう。
4.レンタル携帯を利用する
審査が不要で、期間の縛りがないレンタル携帯の利用もおすすめです。
1日~数ヶ月の間で気軽に借りられるほか、クレジットカード以外の口座振替や振込で支払えるのがメリットです。
レンタル携帯サービスの例
- モノカリ
- ゲオあれこれレンタル
- サンシスコン
- エクスモバイル
- SoftBank Global Rental
- ドコモの携帯電話レンタル
ただし長期利用すると費用がかさみやすく、破損や紛失時は賠償が発生することもある点に注意してください。
5.預託金制度を利用する
携帯会社の預託金制度(よたくきんせいど)を利用する方法もあります。
預託金制度とは、携帯電話会社にまとまった金額を預けることで、携帯電話を新規契約する制度です。
携帯電話の利用料金の支払いに不安がある人と契約する際に、携帯電話会社がお金を預かり、未払いが発生した時は預託金から支払う仕組みです。
賃貸契約の敷金と同様に、解約時に預託金が残っていればすべて返金されます。
預託金は5〜10万円が相場で、auでは1契約あたりの預託金は10万円と定められています。
預託金制度を導入しているかは携帯電話会社によって異なるため、利用を検討している会社に問い合わせてみてください。
参考:au「契約:サポート情報(重要事項説明)」
自己破産後にau携帯の強制解約を防ぐ方法

自己破産後に、au携帯の強制解約を防ぐ方法は次のとおりです。
- 自己破産前に第三者に残債を一括支払いしてもらう
- 任意整理する
順番に解説します。
自己破産前に第三者に残債を一括支払いしてもらう
自己破産後にau携帯の強制解約を防ぐには、第三者に残債を一括支払いしてもらう方法があります。
自分自身で払ってしまうと、特定の債権者にだけ返済する「偏頗弁済(へんぱべんさい)」となり、自己破産が認められなくなる恐れがあるため避けるべきでしょう。
また、同居している家族に頼むと生計が同じとみなされかねないため、同居していない親族などに頼むのが一般的です。
第三者弁済したい場合は、事前に弁護士へ相談するようにしてください。
任意整理する
自己破産してもau携帯を使い続けたい場合、自己破産ではなく任意整理する方法もあります。
任意整理は債務整理の1つで、利息のカットや返済期間の延長を債権者と直接交渉する手続きです。
自己破産と異なり整理する借金の対象を選べるため、分割支払い中の携帯電話の支払いは残しつつ、他の借金を整理することも可能です。
ただし、できるのは利息のカットのみで元金は減らず、手続き後3〜5年は返済が続くため、借金額や収入によって適さない人もいます。
自分がどの手続きをするべきか判断するためにも、まずは弁護士に相談するといいでしょう。
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自己破産は弁護士に依頼するのがおすすめな理由

自己破産は、次の理由から弁護士に依頼するのがおすすめです。
- 携帯を残しつつ自己破産の手続きをしてくれる
- 手続きがスムーズに進む
- 債権者からの催促や取り立てがストップする
- 自己破産以外の債務整理も提案してくれる
1つずつ解説します。
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携帯を残しつつ自己破産の手続きをしてくれる
弁護士に依頼すると、携帯電話を残しつつ自己破産の手続きができるようにアドバイスしてくれます。
どうしても現在の携帯電話を使い続けたい場合は、まずは弁護士に相談し、どうすべきかの判断を仰ぐといいでしょう。
手続きがスムーズに進む
弁護士に依頼すると、自己破産に必要な複雑な手続きがスムーズに進みます。
自己破産では、複雑な書類の作成や裁判所とのやりとりは避けられません。
法律の知識がない一般人が自力でやろうとすると、自己破産できるまでに多くの時間がかかってしまいます。
できるだけ早く生活を立て直すためにも、弁護士に相談して自己破産の手続きを進めてもらうのがおすすめです。
債権者からの催促や取り立てがストップする
自己破産を弁護士に依頼すると、債権者からの催促や取り立てがストップすることもメリットです。
借金の返済のために借金を重ねているような状況では、度重なる督促に精神的なストレスを抱えている人も多いでしょう。
ストレスから解放されるため、一刻も早く弁護士に相談してください。
自己破産以外の債務整理も提案してくれる
弁護士に依頼すると、自己破産以外の債務整理も提案してくれます。
債務整理には任意整理や個人再生などの手続きもあり、借金の状況や収入によって、どの方法が向いているかが異なります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
内容 | 利息のカット | 元金から大幅減額される | 返済義務が免除される |
裁判所 | 通さない | 通す | |
返済期間 | 3〜5年 | なし | |
財産 | 場合による | 一定以上の財産は没収される | |
官報 | 載らない | 載る | |
保証人への影響 | 場合によっては避けられる | 避けられない |
弁護士に相談することで、自分にもっとも合った方法をアドバイスしてもらえるでしょう。
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債務整理とは?弁護士がメリットデメリットや費用をわかりやすく解説
自己破産しても分割中のau携帯の利用は諦めなくていい!

自己破産すると、分割支払い中のau携帯は強制解約になってしまいます。
同様に、利用料の滞納や未納がある場合も強制解約となるため、注意してください。
とはいえ、自己破産後はTCAの情報が消え、携帯電話の新規契約ができます。
その場合、以前利用していた携帯会社は避け、本体の一括購入や家族名義での契約、レンタル携帯の利用などを検討するといいでしょう。
携帯電話を残しながら借金問題を解決したい人は、まずは弁護士に相談してみてください。
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