自動下書き個人再生で通帳や口座を隠すのは無意味!財産隠しになるNG行為は?自動下書き
投稿日: 2025.05.20 | 更新日: 2025.05.20

「個人再生で通帳を隠すとバレるの?」
「ギャンブルがばれたらどうなる?」
個人再生では、裁判所から通帳の提出を求められます。借金の理由や財産を隠したい方にとって、通帳の提出には抵抗があるかもしれません。
しかし、通帳を隠せば個人再生が認められないだけでなく、差し押さえのリスクも高まります。
本記事では、個人再生で通帳を隠しても無意味な理由から、財産を隠すNG行為などについて詳しく解説します。個人再生において通帳提出が必要な理由も詳しく解説しているため、債務整理を検討中の方はぜひ参考にしてください。
なお、個人再生についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。
▼関連記
個人再生で通帳・口座を隠すのは無意味な理由4つ
個人再生において通帳・口座を隠すことは、以下の4つの理由から無意味であるといえます。
- 個人再生では財産を没収されることはない
- 個人再生が認められない・取り消しになる
- 弁護士に支払った着手金も帰ってこない
- 手続きに無駄な時間がかかるだけ
以下で詳しい内容を解説します。
個人再生では財産を没収されることはない
個人再生では、正しく手続きをすれば借金を減額できます。個人再生の場合、現在の資産を計算し、その資産を考慮して返済金額が決定されます。
確かに資産が多ければ返済額も増えますが、財産が勝手に没収されることはありません。財産が没収されるのは自己破産の場合です。個人再生とは異なり、自己破産では財産を手放す必要があります。
しかし、個人再生が認められなければ、その財産が差し押さえられる可能性があります。そのため、通帳や口座を隠しても意味がないのです。
個人再生が認められない・取り消しになる
通帳や口座を隠した場合、当然個人再生は認められなくなり、手続きはストップします。また、個人再生が認められた後に通帳・口座を隠していることが発覚した場合も、取り消しとなります。
借金は減額されないまま元に戻り、同様に取り立てを受けることになります。さらに、債権者(お金を貸した側)も、個人再生の手続きが行われたことで差し押さえに動く可能性があります。
弁護士に支払った着手金も返ってこない
通帳や口座を隠したことで個人再生が認められなければ、それまで支払った弁護士費用も無駄になります。
弁護士費用には、①依頼前に支払う着手金と、②個人再生が認められた後に支払う報酬金があります。①の着手金は、解決の有無にかかわらず、返金されることはありません。
そのため、通帳や口座を隠して少額の資産を守っても、着手金は損失となります。さらに、借金はそのままで、差し押さえのリスクが高まるという結果になります。
手続きに無駄な時間がかかるだけ
個人再生の手続きは半年~1年ほどかかります。途中で通帳や口座を隠すような行為をすると、これまでの準備などが全て無駄になってしまいます。
借金も減額されないため、また一から他の債務整理を行う必要が生じます。
通帳や口座・財産を隠してもバレる理由
個人再生では、1~2年の通帳の取引履歴を提出する必要があります。1~2年も前の通帳から詳細に確認されるため、不自然なお金の動きがあれば、すぐに発覚します。
それ以外にも、財産目録という書類や、約2ヶ月分の家計簿を提出したり、給与明細の提出を求められたりします。
弁護士も依頼を受けた以上、個人再生を成功させるために一生懸命に業務を行います。そのため、不備がないように財産もしっかりとチェックします。不自然な動きがあれば、依頼の段階で発覚して断られる可能性もあるでしょう。
1~2年の通帳を確認されたり、弁護士と裁判所の二重チェックがあるため、これを回避するのは困難です。
財産隠しに該当するNG行為3選
通帳や口座を隠す以外にも、以下のような行為で個人再生が認められなくなります。
- 貯金が少ない口座だけ申請する
- 財産の名義を家族に変更する
- 価値のある財産を破損して価値をなくす
以下で詳しい内容を解説します。
預金が少ない口座だけ申請する
個人再生で調査されるような場合に、預金が少ない口座だけを申請して、メインで使用している口座の通帳を隠しておくというパターンがあります。これはNGです。
財産の名義を家族に変更する
自宅の名義を家族の名義に変更するなどの行為もNGです。
例えば、個人再生を考えているが、父親が本人名義でゆうちょ銀行に貯金をしているケースがあります。入出金は父親が行い、通帳もカードも父親が所持しているという状況です。
個人再生をしようと考えております。
引用元:個人再生をしようと考えております。 – Yahoo!知恵袋
しかし父親が私名義でゆうちょ銀行で貯金をしています。
当然、入出金は父がしており通帳もカードも持ったままです。
私の借金はゆうちょからはありません。銀行のローンばかりです。
名義だけ私の貯金があっても裁判所にバレずに
個人再生できますか?
個人再生の事は父には話せません。
そもそも口座の名義貸しは違法行為です。このようなケースの方は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
価値のある財産は破損して価値をなくす
個人再生の場合、預貯金や自宅・車以外にも有価証券や貴金属・高級腕時計などを金銭に換算した金額で、返済額が決まります。
返済額を減らすために、所有している貴金属や高級腕時計などを破損して価値をなくすという行為もNGです。
そもそもなぜ個人再生では通帳を提出するのか?
個人再生で対象となるのは申し立てた人の通帳や口座、財産のみです。提出する通帳も、原則として手続きする本人のものだけとなります。
通帳の提出が求められる理由は、借金総額の把握から、申請されている給料や資産が正確かどうか、さらには返済計画に無理がないかを確認するためです。
通帳を見れば、収入や返済している借金など全てが把握できます。そのため、通帳や口座の取引は重視されます。
また、ちゃんと返済できるかどうかの確認は、個人再生後に申し立てた人が返済で苦しくならないために、適切に審査してくれているとも言えるでしょう。
なお、令和2年の個人再生(小規模個人再生)の成功率は99%です。申立件数は12,064件、既済(きさい:手続きが終わった件数)は、11,948件と、ほぼ個人再生が認められています。
つまり、ほとんどの人が適切に手続きを行っているということがわかるでしょう。
それでも通帳を提出したくない場合は、任意整理を検討した方が良いでしょう。
通帳を提出したくないなら任意整理がおすすめ
通帳を提出したくない場合は、任意整理がおすすめです。任意整理は、裁判所を通さず、貸金業者と交渉して利息をカットしたり、月々の返済額を減らす方法です。
任意整理のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | 通帳の鄭州Tは不要・財産は没収されない |
デメリット | 減額分は利息のカットのみで元金まで減らない 任意整理で借金が返済できない場合、別の債務整理を検討する必要がある |
ただし、借金を返済していくことには変わりありません。個人再生ほど大幅な減額は期待できないため、もし返済できない場合は、別の債務整理を検討せざるを得ないでしょう。
任意整理については、以下の記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
▼関連記事
任意整理とは?後悔しないために知っておきたいメリットや注意点などわかりやすく解説!
まとめ
個人再生では財産を没収されることはありませんが、通帳や口座を隠すと個人再生が認められなくなるリスクがあります。個人再生が認められないと、弁護士への着手金も返還されず、差し押さえのリスクが高まる点にも注意が必要です。
通帳は通常1~2年分の提出が求められるため、収支を隠すことは実質的に不可能です。もし通帳の提出に抵抗がある場合は、裁判所を通さない任意整理を検討するのが良いでしょう。
いずれにしても、個人再生を成功させるためには、正直に情報を開示して手続きに協力することが重要です。債務整理を検討している方は、まず専門家に相談して慎重に判断することをおすすめします。
関連記事

個人再生の陳述書とは?書き方や例文・提出の流れ・注意点などを紹介!
2025.05/20

個人再生の期間はどれくらい?手続き・返済・信用回復までの全スケジュール
2025.05/19

個人再生で友人や親族からの借金は隠せる? 個別で返済する方法
2025.05/17

個人再生の条件は?小規模個人再生と給与所得者再生の違いも解説
2025.05/02

個人再生の必要書類とは?同居人がいるときの対処法も解説
2025.04/26

個人再生で住宅ローン特則を利用する条件は?使えないケースも解説
2025.04/22