任意整理のデメリットを徹底解説!周囲にバレにくい理由と成功のコツ
投稿日: 2025.02.14 | 更新日: 2025.02.14

「任意整理にデメリットはある?」
「任意整理はバレにくいって聞いたけど本当?成功するコツも知りたい」
任意整理は債務整理の一種で、裁判所を通さず、債権者と将来利息のカットや返済期間の延長を交渉する手続きです。
整理する借金を選べる、周囲バレしにくいなどのメリットがある一方で、デメリットも存在するため、事前に理解しておくことが大切です。
この記事では、任意整理のデメリットや家族に与える影響について解説します。
任意整理のメリットや周囲にバレにくい理由、任意整理を成功させるためのポイントも紹介するため、任意整理を検討している方はぜひ参考にしてください。
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任意整理とは?後悔しないために知っておきたいメリットや注意点などわかりやすく解説!
任意整理のデメリット5選

任意整理は借金の減額に有効な手続きですが、次のようなデメリットもあります。
- 元金は減額されない
- ブラックリストに登録される
- 一定の収入がないと利用できない
- 債権者の合意を得る必要がある
- 口座凍結される場合がある
1つずつ解説します。
1.元金は減額されない
任意整理は将来利息をカットし、月々の返済額を減らす手続きのため、元金は減額されません。
そのため、債務整理の他の方法に比べると、大幅に借金を減らす効果は見込めないでしょう。
債務整理の方法 | 減額幅 |
任意整理 | 将来利息のカット |
個人再生 | 1/5〜1/10に減額 |
自己破産 | 借金の支払いを免除 |
そもそもの借金額が大きい場合は、個人再生や自己破産を選ぶほうがメリットが大きいといえます。
個人再生や自己破産について、詳しくは次の記事も参考にしてください。
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自己破産したらどうなる?費用や流れなど基礎知識をわかりやすく解説
2.ブラックリストに登録される
任意整理を含む債務整理をしたり、借金の返済を延滞したりすると、ブラックリストに登録されます。
ブラックリストとは、CICなどの信用情報機関に事故情報が記載されることを指し、登録されると次のことができません。
- クレジットカードの利用
- クレジットカードの新規発行
- 家・車・携帯電話などのローン契約
ただし、事故情報が記載される期間は限られており、任意整理では完済後約5年で消去されるとされています。
その間は、クレジットカードの代わりにデビットカードやプリペイドカードを利用する、中古や一括で購入するといった対応が必要です。
ブラックリストになった場合の影響や対処法については、次の記事でも詳しく解説しています。
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債務整理のブラックリストはいつ消える?期間やリスクを徹底解説
3.一定の収入がないと利用できない
任意整理しても、和解後3〜5年間は支払いが続くため、継続した収入がないと利用はできません。
無職や生活保護受給者など、返済能力がないと判断された場合は、債権者(お金を借りた相手)が交渉に応じない可能性があります。
収入がなく支払い不能状態にある場合は、自己破産することを検討してください。
4.債権者の合意を得る必要がある
任意整理するには、整理したい借金の債権先すべての合意を得なければなりません。
任意整理は、弁護士と債権者が直接和解交渉をする方法のため、裁判所を通したときのような強制力はないためです。
そのため、「支払い期間を短くする」「毎月の支払い額を多くする」など厳しい条件を提示してくる相手もおり、折り合いがつかないケースもあるため注意してください。
交渉に応じない相手に借金がある場合は、個人再生や自己破産のように裁判所を通す手続きがおすすめです。
5.口座凍結される場合がある
銀行系のカードローンや、アコムなどの消費者金融を対象にして任意整理した場合、銀行口座が一時的に凍結される場合があります。
口座凍結されると、引き出し・引き落とし・振込みなどが一切行えなくなり、生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。
また、任意整理を開始するタイミングで口座に預金が残っていると、相殺(そうさい)されて借金にあてられてしまうため注意が必要です。
ただし、口座凍結は1〜3ヵ月で解除され、その後は通常どおり使えるようになります。
また、任意整理対象にしなかった口座は問題なく使えるため、任意整理中は上手に使い分けるとよいでしょう。
口座凍結の影響や対処法について、詳しくは次の記事も参考にしてください。
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任意整理が家族に与える影響とは?

任意整理した場合、家族に与える影響は次のとおりです。
- 家族が保証人になっていると返済義務が移る
- メイン口座の借入を任意整理すると生活に支障が出る
- 家族の保証人になれない
- カードで支払っているものは決済方法を変更する必要がある
1つずつ解説します。
家族が保証人になっていると返済義務が移る
家族が借金の保証人や連帯保証人になっている場合、任意整理すると返済義務が移ります。
すると、本人の代わりに借金を支払わなければならず、大きな負担を負うことになるため注意が必要です。
任意整理では整理する借金を選べるため、家族が保証人になっている借金を外して対処するとよいでしょう。
保証人への影響や対処法について、詳しくは次の記事でも解説しています。
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メイン口座の借入を任意整理すると生活に支障が出る
メインの口座を任意整理した場合、家族全員の生活に支障が出る恐れがあります。
例えば、給与の受け取り・公共料金の引き落とし・携帯料金の支払いなどをメイン口座に設定していると、生活費を受け取れなくなるだけでなく、支払いができず電気や携帯電話を止められる可能性も否定できません。
口座凍結は1〜3ヵ月間続くため、あらかじめメイン口座からお金を移す、引き落とし先をサブ口座に変更しておくといった対応が必要です。
家族の保証人になれない
任意整理するとブラックリストに載るため、家族の保証人にはなれません。
保証人は、本人が返済できなくなった際に支払いを行うことから、ブラックリスト入りしていると返済能力があるとは認められないためです。
保証人になれないと、家族が家・車・携帯電話などのローンを組んだり、子どもが一人暮らしのためにアパートを契約したりする際に影響が出ます。
カードで支払っているものは決済方法を変更する必要がある
次のような家族にかかわる料金をクレジットカード払いにしている場合は、支払い方法を変更する必要があります。
- 電気・ガス・水道などの公共料金
- 携帯電話の料金
- 家賃やローンの支払い
- 子どもの学校関連の支払い
任意整理するとクレジットカードが使えなくなるため、ブラックリストの記載が消去される約5年後までは、銀行振込やコンビニ支払いなどの支払い方法で代用してください。
任意整理を「しなければよかった」と後悔する人とは?

任意整理を「しなければよかった」と後悔しやすい理由は、次のとおりです。
- 月々の返済が必要になる
- 大幅な減額が見込めない
- クレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなる
- 任意整理に応じない業者がいる
- 自分の状況に合った解決策ではない
- 返済を完遂できる収入の見込みがない
- 借入額が少なくリスクとリターンが合っていない
任意整理は和解してもその後の支払いが続き、元金を減らせるものでもありません。
借金がなくなる、または大幅に減額できると期待していると、後悔に繋がりやすいため注意してください。
また、和解には債権者の合意や安定収入も必要です。
さらに、そもそもの借入額が少ないと、せっかく任意整理しても返済額がほぼ変わらない可能性もあります。
債務整理を考える際は、どの方法が自分に向いているのか、あらかじめ弁護士とよく相談することが大切です。
任意整理で後悔しないための対策や、向いている人・向いていない人については、次の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
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「任意整理しなければよかった」と感じるのはなぜ?後悔しないための対策

任意整理のメリットは次のとおりです。
- 将来利息がカットされ毎月の支払い額が減る
- 3~5年の分割払いにできる
- 保証人がついている借金を外せる
- 財産を失わずに済む
- 家族や職場にバレにくい
1つずつ解説します。
1.将来利息がカットされ毎月の支払い額が減る
任意整理の大きな魅力は、将来利息をカットすることで毎月の支払い額が減る点です。
リボ払いなど利息の高い借入をしており、「毎月利息の支払いばかりで元金がなかなか減らない」という場合は、任意整理が向いているでしょう。
2.3~5年の分割払いにできる
任意整理で和解すると、3〜5年での分割払いにできるため、計画的に完済を目指せます。
返済は元金のみでよく、毎月の支払いで確実に借金が減っていく実感を得やすいでしょう。
ゴールが明確に見えることで、支払うモチベーションに繋がりやすい点もメリットといえます。
3.保証人がついている借金を外せる
任意整理では、保証人がついている借金を外すことも可能です。
個人再生や自己破産ではすべての債権先が整理対象になるため、保証人が代わりに返済の義務を負うことになります。
一方、任意整理では対象の債権先を選べることから、保証人に迷惑をかけたくない場合に活用できます。
4.財産を失わずに済む
任意整理しても、家や車などの財産を失うリスクはありません。
自己破産の場合は、残りの借金の支払いをすべて免除してもらう代わりに、家・車・99万円以上の現金などの財産が没収されます。
そのため、家や車を残した上で借金を整理したい場合は、任意整理を選ぶとよいでしょう。
5.家族や職場にバレにくい
任意整理は、家族や職場にバレにくいことも特徴です。
個人再生や自己破産では、持っている財産について徹底的に調べられたり、裁判所からさまざまな通知が届いたりします。
さらに、裁判所へ提出するための書類を用意する必要もあり、家族や職場に隠したまま手続きすることは難しいでしょう。
任意整理は裁判所を通さない手続きであり、財産を調べられることもないため、周囲にバレずに借金を整理したい方に向いています。
任意整理が周囲にバレにくい理由とは?

任意整理が周囲にバレにくい理由は次のとおりです。
- 通知や連絡が家に来ないから
- バレる確率の高い借金を除外できるから
- 財産の強制処分がないから
- 職場や家族の協力が必須ではないから
1つずつ解説します。
通知や連絡が家に来ないから
まず、裁判所からの通知や連絡が家に来ないことが挙げられます。
個人再生や自己破産と違い、任意整理は裁判所を通さない手続きのためです。
また、弁護士からの手紙や連絡は、あらかじめ相談しておけば家族にバレない工夫をしてもらえます。
なお、債権者側も、家族や職場に電話連絡をすることは基本的にないと覚えておいてください。
バレる確率の高い借金を除外できるから
任意整理では、バレる確率の高い借金を除外できることも理由の一つです。
例えば、保証人つきの借入や、給与の振込先の銀行と提携するカードローン・金融機関を整理対象から外すことで、家族バレするリスクを抑えられるでしょう。
財産の強制処分がないから
任意整理の場合、財産の強制処分がないことも挙げられます。
自己破産のように、家や車などの財産を処分されてしまうと、家族バレは避けられません。
財産を残しつつ、家族バレも防ぎたい方にとって、任意整理はぴったりといえます。
職場や家族の協力が必須ではないから
任意整理の場合、職場や家族の協力がなくても実行が可能です。
基本的に必要書類が少なく、最低でも本人確認書類・印鑑・カード類の3つがあれば問題ありません。
個人再生や自己破産の場合は必要書類が多い上、退職金見込み証明書などの職場に用意してもらう書類もあるため、バレるリスクは非常に高くなります。
自分で用意できる書類だけで済ませたい場合は、任意整理を選ぶのがおすすめです。
任意整理を成功させるためのポイント

任意整理を成功させるためのポイントは次のとおりです。
- 弁護士に相談しながら手続きを進める
- 返済できる範囲の金額で交渉してもらう
- 信頼できる弁護士を見極める
弁護士や司法書士に相談しながら手続きを進める
任意整理は、弁護士や司法書士に相談しながら手続きを進めてください。
個人で行う場合、債権先が交渉に応じなかったり、不利な条件を提示されたりする可能性があります。
一方、経験豊富で法律の知識も深い専門家なら交渉力と信頼性に長けており、より良い条件での和解が期待できるでしょう。
また、弁護士に依頼すると、手続き中は督促と返済がストップするため、精神的なストレスが緩和されることもメリットです。
おすすめの弁護士事務所や選び方・費用相場について、詳しくは次の記事も参考にしてください。
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債務整理におすすめの弁護士事務所ランキング8選!選び方や費用相場も解説
返済できる範囲の金額で交渉してもらう
任意整理を成功させるには、返済できる範囲の金額で交渉してもらうことも重要です。
借金額と収入の折り合いを考え、返済できる見込みがない額での交渉はしないようにしてください。
万が一和解後に返済が滞ると、借入先から一括請求されたり、最悪の場合は財産や給与を差し押さえられたりする恐れがあります。
もし、借金の額が大きく任意整理では返済が難しい場合は、個人再生や自己破産を検討するとよいでしょう。
信頼できる弁護士や司法書士を見極める
相談・依頼時には、信頼できる弁護士や司法書士を見極めるようにしてください。
実績の豊富さや費用の明確さはもちろん、任意整理のデメリットやリスクまで丁寧に説明してくれる弁護士であれば、安心して任せられるでしょう。
相談だけなら無料のところが多いため、複数の事務所で相談し、自分に合った弁護士を見つけてみてください。
無料相談ができるおすすめの法律事務所や、無料相談でできることについて、詳しくは次の記事で解説しています。
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債務整理の無料相談でできることは?おすすめの法律事務所も紹介
任意整理はデメリットを理解した上で行おう

任意整理には、元金が減らない、安定収入や債権者の合意が必須といったデメリットがあります。
そのため、大幅な借金の減額を望む場合や、交渉に応じない債権者がいる場合には不向きです。
一方で、任意整理には毎月の支払い額を減らし、3~5年の分割払いにできるメリットもあります。
また、財産を失ったり周囲にバレたりするリスクが少なく、保証人がついている借金を外せることから、これらを優先して債務整理したい方にはぴったりです。
任意整理は、良い面・悪い面の両方をきちんと理解した上で行ってください。
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