任意整理の失敗例と体験談から学ぶ成功させるためのポイント
投稿日: 2025.03.31 | 更新日: 2025.04.10

「任意整理で失敗するのはどんなとき?」
「実際の体験談を聞いてみたい」
任意整理は、債権先と交渉して将来利息のカットや返済期間の延長を求める、債務整理手続きの一つです。
借金の整理には任意整理がおすすめだとよくいわれるものの、中には失敗するケースも存在します。
そのため、どんな状況で失敗しやすいのかや、自分の状況に合っているかをあらかじめ確認しておくことが重要です。
この記事では、任意整理の失敗例や、任意整理を失敗してしまう5つの状況を紹介します。
任意整理で失敗した人の体験談や、成功させるためのポイントも解説しているため、任意整理で失敗したくない人はぜひ参考にしてください。
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任意整理の失敗例4選

任意整理の失敗例は次のとおりです。
- 任意整理したが返済できない
- 弁護士費用を払えない
- 希望条件で任意整理できない
- 減額できる額が少ない
1つずつ解説します。
任意整理したが返済できない
任意整理したものの、月々の返済ができなければ失敗に終わってしまいます。
そもそも、任意整理は将来利息のカットや返済期間の延長を求めるものであり、手続きしても返済義務がなくなるわけではありません。
安定収入がなかったり、収入に対して月々の返済額が多すぎたりすると返済が難しくなり、一括請求される可能性があります。
無理のない範囲で返していけるよう、はじめにしっかり返済計画を立てて交渉することが大切です。
弁護士費用を払えない
弁護士に依頼して任意整理しても、弁護士費用が払えないと辞任される可能性があります。
任意整理の費用相場は、借金のある金融機関1社あたり5~15万円程度で、整理する債権先が多いほど弁護士費用もかさみやすくなります。
あらかじめ、どのくらいの費用がかかるのかを把握しておき、支払いが難しい場合は弁護士に相談の上、分割払いなどで対応してもらうといいでしょう。
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希望条件で任意整理できない
自分が希望する条件で任意整理できないのも、失敗例の1つです。
任意整理は債権者と交渉して和解を目指す手続きのため、そもそも債権者が応じてくれなければ失敗に終わってしまいます。
中には、返済期間を短くされたり、減額幅が少なくなったりと、厳しい条件を課されることもあります。
希望に近い条件で任意整理するには、交渉力のある弁護士に依頼する、確実に交渉に応じてくれる債権先を選ぶことが重要です。
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減額できる額が少ない
減額できる額が少ないときも、任意整理した意味がほとんどなく、失敗に終わってしまいます。
該当するのは、もともとの借金額が低かったり、奨学金など金利の低い借金だったりするケースです。
いずれも発生する利息が少ないため、任意整理しても減額幅は小さく、月々の返済額に大きな変化がない可能性があります。
このような場合は、返済プランの見直しなどで解決を目指す必要があるでしょう。
任意整理を失敗してしまう5つの状況

任意整理を失敗してしまう状況は、次の5つです。
- 借入額が多い
- 安定した収入がない
- 借入したばかりで返済の実績がない
- すでに差し押さえを受けている
- 過去に何度も任意整理をしている
順番に解説します。
借入額が多い
まず、借入額が多いケースが挙げられます。
任意整理では将来利息のカット後、3〜5年での返済が必要です。
たとえば800万円の借金があって毎月5万円しか返済できない場合、最長の5年でも返済できる額は300万円となるため、任意整理での返済は不可能なのです。
借入額が多い場合は、元金を5分の1〜10分の1に減らせる個人再生や、借金の返済義務が免除される自己破産を検討してください。
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安定した収入がない
安定した収入がない、もしくは生活保護を受けているケースでも、任意整理するのは難しいでしょう。
任意整理では3〜5年かけて元金を返済することが求められるため、返済が見込めなければ、和解交渉に応じてもらえる可能性は低いといえます。
支払い能力がない場合は、自己破産を検討することになります。
なお、収入が安定していて月々の支払いに問題がなければ、アルバイトでも大丈夫です。
借入したばかりで返済の実績がない
借入したばかりでまだ返済の実績がない、もしくは数回程度で短い場合は、交渉に応じてもらえない可能性が高まります。
債権者にとって、取引履歴の短い相手は支払い能力を判断しづらく、「はじめから任意整理するつもりで借りたのではないか」と疑われやすいためです。
このような場合は、1年程度の返済実績を作り、支払い能力があると認めてもらうようにしてください。
すでに差し押さえを受けている
すでに財産の差し押さえを受けている場合も、任意整理はできません。
月々の返済ができずに督促を放置した場合、2ヵ月程度で一括請求の通知が来ます。
払えない場合は裁判にかけられ、強制的に給与や財産が差し押さえられることになります。
こうなると、債権者は債権を回収できる状態のため、わざわざ手間のかかる任意整理に応じる必要はないのです。
財産を差し押さえられている場合は、依頼前に弁護士に相談するようにしてください。
過去に何度も任意整理をしている
過去に任意整理したことがあると、交渉に応じてもらえない可能性が高いでしょう。
任意整理は何度でもできますが、一度返済できなくなって再び和解交渉しても、債権者からの信用は大きく損なわれた状態です。
そのため、厳しい条件を出されたり、再和解を拒否されて一括請求されたりするリスクもあります。
同じ債権者との2回以上の任意整理は難しいと考え、まだ整理していない借金の任意整理を検討するのがおすすめです。
任意整理で失敗した人の体験談

ここでは、任意整理で失敗した人の体験談を紹介します。
- 任意整理しなくても返済できた
- 自分で任意整理しなければよかった
- 返済額が増えてしまった
実際にあったケースを知り、同じ失敗をしないための参考にしてください。
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任意整理しなくても返済できた
プロフィール | 40代男性 |
借金額 | 350万円 |
借入社数 | 4社 |
借金の理由 | ギャンブル |
任意整理した結果 | 返済総額:350万円→250万円に減額 月々の返済:8万円→4.9万円に減額 |
出典:https://hibiki-law.or.jp/debt/ninni/2421/
40代の男性が任意整理して、返済総額を350万円→250万円に、月々の返済を8万円→4.9万円に減額した事例です。
任意整理自体は成功し、月々の支払いが減ったおかげで完済も間近となっています。
しかし、弁護士事務所からの書類が見つかったことで、借金の存在や任意整理したことがパートナーにバレてしまいました。
また、任意整理後に知人に打ち明けたら「相談してくれたらお金を工面した」といわれ、任意整理しなくても返済できたのではないかという後悔の気持ちがあるとのことです。
このケースでは、任意整理前に周囲に相談していれば、もっといい解決の道があったかもしれません。
一方で、事務所名を隠して書類を郵送するなどの配慮もしてもらえるため、バレずに任意整理したい場合は弁護士に相談しておくといいでしょう。
自分で任意整理しなければよかった
弁護士には頼まないが自分でやりました。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12276108172
後悔はしました。元金二割だけの一括で終わりにはなりましたが、まさか通らないと思っての提案でした。通らないなら引き続き放置で一円も払わずに済んだのに、自分ら出した提案が通ったのに「やっぱりやめた」とは言えず払って終わりにしました。
自分で任意整理手続きを進め、払わなくてもいいお金を払って後悔している事例です。
任意整理は自分でもできますが、個人での交渉は難しく、不利な条件になるリスクが高まります。
よりよい条件で成功させるためには、弁護士に依頼するのが確実です。
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返済額が増えてしまった
債務整理したけど結果減らず、弁護士費用など合わせて結局支払いが増えてしまった。実質利息も支払い額の7割を占めてるし他の弁護士に相談すべきか…
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10257356220
そうすると又費用もかかるしどうしたものかとここに投稿して知恵をお借りしたいです。
債務整理して返済額が増えてしまった人の事例です。
失敗しやすいケースを知り、自分の状況に合った手続きを選ばないと、返済額が増えて後悔しかねません。
任意整理でも、失敗すると個人再生や自己破産するしかなくなり、余計に弁護士費用がかさむケースもあります。
そのため、手続き前に、本当に任意整理が自分に合っているかを弁護士に判断してもらうといいでしょう。
任意整理を成功させる3つのポイント

任意整理を成功させるためには、次の3つのポイントを押さえてください。
- 任意整理が得意な弁護士に相談する
- 弁護士に借入状況や収入をきちんと説明する
- 完済する意志を持つ
それぞれ詳しく解説します。
任意整理が得意な弁護士に相談する
任意整理の失敗を防ぐには、任意整理が得意な弁護士に相談することがもっとも重要です。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、債務整理分野で実績が多く、得意とする弁護士に依頼するといいでしょう。
また、費用がきちんと記載されているか、相談は無料でできるか、口コミ評判が高いかもチェックしてください。
実力があり信頼できる弁護士に依頼できれば、自分にもっとも合った方法で、スムーズな手続きがかなうでしょう。
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弁護士に借入状況や収入をきちんと説明する
任意整理前に、借入状況や収入をきちんと説明することも大切です。
任意整理では和解後も返済が続くため、収入からいくらまで返済にまわせるか、収入に対して無理のない返済額になっているかなどを、正確に把握しておかなければなりません。
弁護士は収支状況に合わせて返済計画を立てるため、見栄を張ったり嘘をついたりすると、計画どおりに支払いができなくなる恐れがあります。
弁護士と信頼関係を築くためにも、収支状況はすべて正直に打ち明け、隠し事のないようにしてください。
完済する意志を持つ
任意整理後は、完済する意思を持つことも大切です。
任意整理前の利息ばかりが膨らむ状況に比べると、和解後は完済の道筋が見えており、月々の支払いも減って生活を立て直しやすいでしょう。
とはいえ、最短でも3年は支払いが続くため、不慮の事故や病気、家庭の事情などで収入が減ることも考えられます。
また、月日が経つと気が緩み、ついついショッピングやギャンブルで浪費してしまう可能性もないとはいえません。
返済できないからと途中で放棄し(バックレ)てしまうと、弁護士が辞任して一括請求がきたり、財産を差し押さえられたりするリスクがあるため、注意が必要です。
任意整理したあとはしっかり家計を管理し、毎月まじめにコツコツ返済していく気持ちを忘れないようにしてください。
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任意整理で失敗しないためには実績のある弁護士に相談を

任意整理の失敗例には、返済ができない、弁護士費用が払えない、減額幅が少ないなどがあります。
また、安定収入がなかったり、すでに差し押さえを受けていたりする場合は任意整理ができません。
借入額が多い場合も、任意整理に向かない可能性があるため、事前に弁護士へ相談する必要があるでしょう。
任意整理の失敗を防ぐには、実績が豊富な弁護士に依頼し、心を開いて何でも正直に打ち明けることが大切です。
また、自分自身の「必ず完済する」という強い意志も欠かせません。
まずは無料相談を利用し、信頼できる弁護士を探してみてください。
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