任意整理が賃貸契約と更新に与える影響とは?審査を通すポイントも解説
投稿日: 2025.03.31 | 更新日: 2025.03.31

「任意整理したら賃貸契約に影響する?」
「任意整理後は引っ越しても審査落ちする?」
任意整理すると、現在住んでいる賃貸契約に影響はあるのか、心配になる人もいるでしょう。
また、任意整理後は新たな賃貸契約が可能なのかも気になりますよね。
この記事では、任意整理が賃貸契約に与える影響や、任意整理後も現在の賃貸住宅に住み続けるコツを解説します。
任意整理後に新たな賃貸契約を結ぶ際のポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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任意整理が賃貸契約に与える影響

基本的に、賃貸契約が結ばれている限りは、任意整理しても即座に退去を命じられる心配はありません。
ただし、次のような影響が考えられます。
- 信販系の保証会社を利用していると更新できない可能性がある
- 新たな賃貸契約は断られる可能性がある
1つずつ解説します。
信販系の保証会社を利用していると更新できない可能性がある
現在住んでいる賃貸で信販系の保証会社を利用している場合は、更新ができない可能性があるでしょう。
信販系とは、エポス・ジャックス・オリコなどのクレジットカード系の保証会社のことです。
信販系は、賃貸の審査や更新の際にクレジットカードの個人情報をチェックするため、任意整理の履歴があると更新を拒否される場合があります。
新たな賃貸契約は断られる可能性がある
これから新たな賃貸契約を考えている場合は、保証会社に断られる可能性があります。
任意整理すると信用情報に事故情報が記載される(ブラックリストになる)ため、「支払い能力がない」と判断され、ローンを組んだり、保証人になったりできません。
同様に、賃貸契約の審査でも事故情報が影響し、支払い能力がないとみなされて審査落ちすることが考えられるでしょう。
任意整理後も現在の賃貸住宅に住み続けるコツ

任意整理後も現在の賃貸住宅に住み続けるコツは、次のとおりです。
- クレジットカード払いの場合は支払い方法を変更する
- 滞りなく家賃を支払う
- 更新の前に大家さんに相談する
1つずつ確認してみてください。
クレジットカード払いの場合は支払い方法を変更する
家賃の支払い方法をクレジットカード払いにしている場合は、支払い方法を変更しておくのがおすすめです。
任意整理してブラックリストになると、返済から約5年間はクレジットカードの利用や新規作成ができません。
そのままクレジットカード払いにしていると、家賃が支払えずに延滞となり、大家さんや保証会社に悪い印象を与える恐れがあります。
任意整理する前には、必ず家賃の支払い方法を確認してください。
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滞りなく家賃を支払う
月々の家賃は、遅れることなく確実に支払うことが大切です。
一般的に、3ヶ月以上の滞納があると、大家さんから立ち退き請求や契約解除の通知が来るリスクがあります。
また、何度も滞納を繰り返すと、借主(自分)と貸主(大家)の信頼関係が破壊されたとみなされ、契約の更新を拒否される可能性もあります。
大家さんとの信頼関係を保つためにも、家賃の支払いはきちんと行ってください。
更新の前に大家さんに相談する
賃貸住宅の更新の時期が近い場合は、あらかじめ大家さんや管理会社に相談するといいでしょう。
住んでいる途中でブラックリストになっても、そのまま済み続けることに問題はありませんが、更新時にブラックリストであることがわかれば、保証会社に更新を拒否される恐れがあります。
そうならないよう、事前に信用情報が必要ない保証会社に変えてもらう、連帯保証人を立てるなどの対策を取れれば、契約更新できる可能性が高まります。
新たな賃貸契約を結ぶ際の審査基準

新たな賃貸契約を結ぶ際、審査基準となるのは次の点です。
- 滞りなく家賃を支払ってくれるか
- 人柄に問題がなくご近所トラブルを起こさないか
- 過去の滞納歴に問題はないか
任意整理後に新たな賃貸契約を結ぶ場合は、参考にしてみてください。
滞りなく家賃を支払ってくれるか
もっとも重視されるのは、滞りなく家賃を支払う能力があるかどうかです。
審査では年収や職業はもちろん、これまでにクレジットカードなどの滞納がないか、年収に対して家賃が高すぎないかなどを厳しくチェックされます。
勤続期間が長い正社員は収入の安定性が高いとみなされやすく、反対にフリーターや自営業は審査で不利になりやすいでしょう。
家賃は収入の20〜30%を目安に、無理のない範囲におさめると、審査にとおる確率を上げられます。
人柄に問題がなくご近所トラブルを起こさないか
人柄に問題がなく、ご近所トラブルを起こさないかもチェックされるポイントです。
大家さんにとって、近隣住民とのトラブルはもっとも避けたいことの1つです。
そのため、人柄や過去の行動が審査に影響を与える可能性があることも覚えておいてください。
とはいえ、常識的なふるまいができ、社会人としてのマナーがあれば大きな問題はないでしょう。
過去の滞納歴に問題はないか
過去に家賃滞納歴があると、入居審査にとおることは難しくなります。
保証会社の中でも、協会系・信販系の会社は信用情報を確認できるため、入居審査が厳しいとされています。
信用情報への事故情報の掲載は約5年間続くことから、一度滞納してしまうと、その後の住居探しが困難になる可能性があるでしょう。
たとえ任意整理しても、家賃は滞納しないよう注意してください。
任意整理後に新たな賃貸契約を結ぶ際のポイント

任意整理後に新たな賃貸契約を結ぶ際のポイントは、次のとおりです。
- 保証会社をチェックする
- 家賃の支払い方法を確認する
- 連帯保証人をつける
- 自分以外の名義で契約する
1つずつ解説します。
保証会社をチェックする
まずは保証会社をチェックし、なるべく審査が緩いところを選ぶようにしてください。
保証会社は、主に次の3種類に分類できます。
分類 | 主な保証会社 |
信販系 | アプラス エポス オリコ ジャックス セゾン |
協会系 | エルズサポート 全保連 ジェイリース |
独立系 | 日本セーフティー 日本賃貸保証 いえらぶパートナーズ |
この中で、信販系の保証会社は審査時に信用情報をチェックするため、避けるべきです。
協会系は信用情報のチェックはできませんが、過去に滞納歴がある保証会社が同じ団体にあればわかる仕組みです。そのため、家賃の滞納歴がある場合は、こちらも避けたほうがいいでしょう。
もっとも審査が緩いのが独立系の保証会社で、審査に信用情報を利用しません。
それぞれの保証会社の独自基準で審査するため、もし信販系や協会系の保証会社で審査落ちしてしまう場合は、利用を検討してみてください。
家賃の支払い方法を確認する
家賃の支払い方法を確認することもポイントです。
任意整理するとクレジットカードが使えなくなるため、家賃の支払い方法が口座振替や銀行振込に対応している物件であることが条件となります。
連帯保証人をつける
保証会社で審査落ちしてしまう場合は、連帯保証人をつけると審査にとおる可能性があります。
連帯保証人は、家賃を滞納したときに代わりに支払い義務を負う存在です。
親族に頼むのが一般的で、安定収入の有無や年齢が高すぎないこと、信用情報に問題がないことなどが求められます。
大家さんにとっては、家賃が支払われないときの保証となるため、ブラックリスト入りしていて厳しい条件でも賃貸契約を結べる可能性があるでしょう。
自分以外の名義で契約する
自分以外の名義で契約する方法もあります。
夫婦の場合はどちらの名義でも問題ないため、任意整理していない側の名義で契約するといいでしょう。
また、支払い能力がある祖父母・父母・兄弟姉妹・叔父叔母などの3親等以内の親族であれば、代理契約も可能です。
賃貸契約以外に任意整理で制限されること

賃貸契約以外に、任意整理したあとに制限されることは次のとおりです。
- 新たな借入やクレジットカードの作成はできない
- 一定期間銀行口座が凍結される可能性がある
- 保証人になれない
どんな影響があるか、あらかじめ把握する参考にしてください。
新たな借入やクレジットカードの作成はできない
任意整理すると、完済から約5年間は新たな借入やクレジットカードの作成はできなくなります。
信用情報機関に、任意整理したという事故情報が記録され、ローンや借入の審査に通過しにくくなることが理由です。
そのため、家賃の支払いが厳しいからといって新たに借入をしたり、クレジットカードで支払ってしのいだりできなくなる点に注意してください。
任意整理後の家賃の支払いは、基本的に口座振替や銀行振込で対応することになるでしょう。
一定期間銀行口座が凍結される可能性がある
債務整理すると、一定期間銀行口座が凍結される可能性があります。
任意整理の場合、凍結されるのは整理対象の銀行口座と同系列の口座のみですが、口座に残高があると返済にあてられてしまうため注意が必要です。
また、家賃の口座振替もできなくなるため、あらかじめ引き落とし口座を変更して対処してください。
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保証人になれない
任意整理すると、車のローンや奨学金の保証人にはなれません。
保証人は債務者の代わりに支払いの義務を負う存在であり、ブラックリストに載っている間は支払い能力があるとはみなされないのです。
なお、賃貸契約の場合は、審査の際に信用情報をチェックしない独立系の保証会社なら、保証人になることは可能です。
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任意整理しても賃貸の更新・契約は可能!

任意整理しても、基本的には、現在住んでいる賃貸物件に住み続けられます。
ただし、信販系の保証会社を利用していると更新できなかったり、新たな賃貸契約は断られたりする可能性があるため、注意してください。
任意整理後も現在の賃貸住宅に住み続けるには、確実に支払える方法にしておく、家賃を滞納しない、更新前に大家さんに相談するなどの対処が有効です。
新たな賃貸契約を結ぶ際は、審査が緩い保証会社を選び、連帯保証人をつける・自分以外の名義で借りるなどの方法を検討するといいでしょう。
任意整理の賃貸物件への影響が気になる場合は、無料相談を利用して弁護士に相談してみてください。
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