アコムの債務整理者への対応について徹底解説|減額や分割はできるのか?
投稿日: 2025.02.10 | 更新日: 2025.02.10

「アコムの借金は債務整理可能?」
「アコムは任意整理に応じないって本当?」
アコムからの借り入れを債務整理すると、借金の減額や分割払いが可能です。
アコムは基本的に、債務整理に応じる姿勢を持っていますが、取引期間が短い・収入が不安定など、条件を満たしていない場合は注意が必要です。
この記事では、アコムが債務整理に対応してくれる条件や、任意整理するメリット・デメリットを解説します。
アコムで任意整理する具体的なやり方、自分で任意整理する場合のリスクについても紹介するため、アコムの借金に悩んでいる方は参考にしてください。
アコムは債務整理に対応してくれるのか?
出典:アコム
アコムは、基本的に債務整理に応じる姿勢を持っています。
債務整理には、大きく分けて任意整理・個人再生・自己破産があり、アコムでは直接交渉できる任意整理が向いています。
任意整理では、原則として将来利息(元金に対して将来的に発生する利息)をカットし、毎月の支払い額の減額が可能です。
アコムは実質年率が3〜18%と高めに設定されているため、将来利息をカットすることで、場合によっては大幅な減額も見込めるでしょう。
分割回数は、任意整理前と同じ支払い回数に設定されることが多く、1年(12回)〜2年(48回)程度です。
ここからは、アコムで任意整理できる条件を解説します。
- 安定した収入がある
- 取引期間が1年以上ある
- 返済期間内に完済できる
また、債務整理の種類については、次の記事でくわしく解説しているため、参考にしてください。
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債務整理の種類を解説!4種類の特徴・メリット・デメリットとは?
安定した収入がある
アコムで任意整理する際には、安定した収入が求められます。
ケガや病気で働けず、継続的な収入がなかったり、現在無職だったりする場合は、任意整理を断られるケースが多いでしょう。
また、自営業で毎月の収入に開きがある場合も、安定収入があるとは認められない可能性があります。
収入に不安がある人は、無料相談などを利用し、弁護士にアドバイスをもらうことをおすすめします。
取引期間が1年以上ある
借り入れ期間や返済実績を含め、アコムとの取引期間が1年以上あるかどうかも目安の一つです。
取引期間が短い場合、家計状況を調べられたり、1年(12回)での分割払いを求められるなど和解条件が厳しくなったりする恐れがあります。場合によっては、和解できないことも考えられるでしょう。
借り入れを始めてすぐに任意整理しようとすると、はじめから返済の意思がなかったと判断されかねないため、注意が必要です。
取引期間が2年以上あれば、和解や3年(36回)での分割払いが認められやすいため、アコムとの取引期間が足りているか確認してみてください。
返済期間内に完済できる
決められた返済期間内に完済できることも条件です。
任意整理では、原則として3〜5年での返済が求められ、アコムでもほとんどが3年(36回)払いで設定されます。
借り入れ額の大きさや借り入れ期間の長さによっては、最大で5年(60回)払いまで認められることもありますが、これまで滞納せず返済した実績が求められます。
例として、アコムで300万円を借りていた場合、3年で返済するには月々約8万3千円の支払いが必要です。
収入が少ない、他社からの借り入れもあるなどの理由から返済できなければ、任意整理は難しいといえます。
その場合は、個人再生や自己破産などの方法を検討してください。
▼関連記事
個人再生とは?特徴やメリット・自己破産との違い
自己破産したらどうなる?費用や流れなど基礎知識をわかりやすく解説
そもそも任意整理とは?メリット・デメリットを解説

任意整理は、裁判所を介さずに直接アコムなどの貸金業者と交渉し、借金の条件を見直す手続きです。
元金は減らせないものの、将来利息をカットできるため、月々の支払いを減額して3〜5年での完済を目指せます。
借金額が比較的少ない人に向いており、手続きが簡単なことから、債務整理の中ではリスクの少ない手続きといえます。
くわしくは次の記事で解説しているため、参考にしてください。
▼関連記事
任意整理とは?後悔しないために知っておきたいメリットや注意点などわかりやすく解説!
ここでは、任意整理のメリット・デメリットを解説します。
- メリット①将来利息をカットし返済額を減らせる
- メリット②財産を保持できる
- メリット③債権先を選択できる
- デメリット①信用情報への影響がある
- デメリット②元金は減らない
- デメリット③債権者の合意が必須である
メリット①将来利息をカットし返済額を減らせる
任意整理の最大のメリットは、将来利息をカットして返済額を減らせることです。
交渉が成立すれば月々の支払いが少なくなるため、任意整理前よりも借金返済が楽になります。
とくに、「毎月利息の支払いばかりでなかなか元金が減らない」という人は、任意整理することで元金を返済できるようになり、完済を目指しやすくなるでしょう。
メリット②財産を保持できる
任意整理した場合、財産を残したまま借金を減らせます。
個人再生や自己破産では、家や車などの高額な資産があると、担保として引き上げられる可能性があります。
その点、任意整理では整理対象を選べるため、家や車のローンを対象外にすることで財産を保持できるでしょう。
メリット③債権先を選択できる
任意再生は個人再生や自己破産と異なり、債権先を選択できることもメリットです。
たとえば、保証人に迷惑をかけたくない場合、保証人がついていない借金だけを選んで任意整理することもできます。
また、任意整理すると相手に通知が行くため、勤務先で借金があるもののバレたくない場合などは、対象から外すといった対応も可能です。
デメリット①信用情報への影響がある
任意整理に限らず、債務整理すると信用情報への影響は避けられません。
債務整理した事実は、信用情報機関に事故情報として登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。
ブラックリストに載ると、完済から約5年間は新たなクレジットカードの作成やローンの利用ができません。
そのため、一定期間は一括払いやデビットカードの利用などで対応する必要がある点に注意が必要です。
ブラックリストに載る影響について、くわしくは次の記事をご覧ください。
▼関連記事
債務整理のブラックリストはいつ消える?期間やリスクを徹底解説
デメリット②元金は減らない
任意整理では、元金の減額はできません。
将来利息のカットで月々の返済額は減らせますが、そもそもの借り入れ額が大きいと、大幅な減額は見込めないでしょう。
そうなると、わざわざ利息をカットしても、月々の支払い負担がほとんど変わらないこともありえます。
元金を3〜5年で返済する前提で計算してみて、毎月の支払い額の負担が大きく払えそうにない場合は、個人再生や自己破産を検討してください。
デメリット③債権者の合意が必須である
任意整理を成立させるには、債権者の合意が必須です。
収入が少なかったり、金額が大きく3〜5年での返済が見込めないと判断されたりすると、任意整理に応じてもらえない可能性があります。
また、分割回数を短くするなどの条件が付くことも考えられます。
債権者の合意を得るには交渉力がポイントになるため、任意整理にくわしい弁護士や司法書士に依頼するのがおすすめです。
アコムの借り入れを任意整理する具体的なステップ

アコムの借り入れを債務整理する際の具体的なステップは次のとおりです。
- ステップ1|弁護士や司法書士に相談する
- ステップ2|返済計画を作成する
- ステップ3|アコムと交渉・和解後に合意書を作成する
- ステップ4|返済を開始する
それぞれくわしく解説します。
ステップ1|弁護士や司法書士に相談する
まずは無料相談を利用し、専門家である弁護士や司法書士に相談したあと、依頼する事務所を決めてください。
以下のように、アコムを含む自分の借り入れ状況を整理してまとめておくと、手続きがスムーズに進むでしょう。
- 借り入れがある会社
- 借り入れ日
- 借り入れ額(元金と利息)
- 現在の収入
- 毎月の返済額
- これまでの返済状況
弁護士が依頼を受けると、債権者へ「受任通知」が送られ、取り立てや返済は手続き完了までストップします。
ステップ2|返済計画を作成する
依頼を受けた弁護士が、アコムの取引履歴を参照しながら利息の引き直し計算(利息を再計算し、払いすぎた分を元金にあてること)を行い、1〜2週間で借金額が確定します。
この際、過払い金(2010年の貸金業法施行以前に、違法な高利率で借金していた場合の払いすぎた利息のこと)の請求も可能です。
その後、正式な借金額をもとに返済計画を作成します。
事前に本人確認書類や印鑑、利用中のクレジットカードなどを用意しておけば、自分で交渉する必要はありません。
ステップ3|アコムと交渉・和解後に合意書を作成する
作成した返済計画をもとに、代理人である弁護士とアコムの間で和解交渉が行われます。
返済期間や月々の支払い額など、無理のない返済計画を立てられていれば、交渉に応じてもらえる可能性があるでしょう。
和解交渉には通常3ヵ月ほどかかり、和解に至った場合は合意書を作成して和解契約を結びます。
ステップ4|返済を開始する
手続き完了後は、新たな返済計画にもとづいて返済を開始します。
借金を完済すれば任意整理は終了しますが、ブラックリストの状態は完済後5年間続くため、すぐにクレジットカードの作成やローンの利用ができるわけではない点に注意してください。
自分でアコムと直接交渉する際の注意点とリスクとは

任意整理は弁護士に依頼せず、自分で行うことも可能です。
ただしいくつか注意点があり、リスクが大きいため、基本的には専門家に依頼するとよいでしょう。
自分でアコムと直接交渉する際の注意点とリスクは次のとおりです。
- 交渉力不足により応じてもらえない可能性がある
- 督促が止まらない
- 負債額の確定が難しい
それぞれくわしく解説します。
交渉力不足により応じてもらえない可能性がある
まず、直接交渉を試みても、一般人相手ではアコムが交渉に応じない可能性があります。
また交渉に応じたとしても、法律や債務整理に関する正しい知識がないと、減額や分割回数などの交渉がうまく進まず、悪い条件での和解になる恐れがあるでしょう。
さらに、アコムが提示してくる言葉や条件の真偽を判断できず、言われるがままになってしまうことも考えられます。
その点、弁護士のような専門家であれば、法律の知識や経験にもとづいた高い交渉力で対応できます。
確実な和解を目指すなら、弁護士に依頼したほうが安心です。
督促が止まらない
自分で任意整理する場合、手続きの間も債権先からの督促は止まりません。
また、返済もこれまでどおり行わなければならず、手続きの手間が加わると大きな負担になるでしょう。
一方、弁護士に依頼するとその時点で督促が止まり、返済も手続き完了までストップします。
弁護士費用が不安という人も、本来返済にまわしていた分を費用にあてることで対応できます。
一時的にでも督促や返済が止まることで、精神的にラクになる人も多いため、弁護士に依頼するのがおすすめです。
負債額の確定が難しい
自分で任意整理手続きをすると、負債額の確定が難しいこともデメリットです。
返済計画の作成時は、取引履歴を参照して計算したり、これまでに払いすぎた利息がないかをチェックしたりする作業があります。
しかし、引き直し計算は複雑で、法律知識がないと非常に時間がかかります。
過払い金があっても気づかずに損をする恐れもあるため、正確な数字を出すには、専門家の力を借りるのが望ましいでしょう。
消費者金融の借り入れを債務整理する際の連絡先

アコムを始めとした、消費者金融の借り入れを債務整理する際には、次の連絡先があります。
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
- 無料相談窓口
それぞれの利用条件を比較し、自分に合った方法を選ぶ参考にしてください。
弁護士事務所
債務整理する際、もっともおすすめなのが弁護士事務所です。
特定の利用条件は設けられておらず、依頼者の状況に応じて最適な債務整理方法を提案してくれます。
債務整理に力を入れていて、実績が豊富な弁護士がいる事務所であれば、よりスムーズかつ良い条件での手続きがかなうでしょう。
多くの法律事務所では初回相談が無料で提供されており、着手金が不要な場合もあるため、費用が心配な人もまずは相談してみてください。
おすすめの弁護士事務所や選び方については、次の記事でくわしく解説しています。
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債務整理におすすめの弁護士事務所ランキング8選!選び方や費用相場も解説
司法書士事務所
司法書士も債務整理に対応していますが、次のようにいくつかの条件があります。
債務額の制限 | 140万円以下/社 |
裁判所での訴訟代理権 | 簡易裁判所のみ |
可能な業務 | 任意整理:代理人 個人再生:書類作成のみ 自己破産:書類作成のみ |
扱える債務額に制限があるほか、訴訟ができる裁判所が簡易裁判所に限られる点に注意が必要です。
また、個人再生や自己破産では代理人として申し立てができず、書類作成のみの対応となり、自分で裁判所まで手続きに行かなければなりません。
そのため、個人再生や自己破産を考えていて手間を省きたい人は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
1社あたりの債務額が140万円以下の場合は、司法書士への依頼を検討してもよいでしょう。
無料相談窓口
弁護士費用に不安がある場合は、法テラスなどの無料相談窓口を利用する方法もあります。
法テラスは、法的なトラブル解決のために国が設立した機関です。
全国にある法テラス事務所で、1回30分・3回まで無料相談が利用できますが、相手が債務整理に特化した弁護士ではない可能性もあります。
収入や資産が一定基準以下であれば、弁護士費用を立て替えてくれる制度もあるため、検討してもよいでしょう。
しかし、条件を満たさない場合は相談のみで解決にはならず、手続きにも時間がかかることから、基本的には弁護士や司法書士に依頼するほうが確実です。
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アコムの借り入れを債務整理するなら専門家への相談がおすすめ

アコムでの借り入れを債務整理する際は、直接交渉できる任意整理がおすすめです。
その場合、1年以上の取引実績や安定収入が求められるため、条件を満たしているか確認が必要です。
任意整理では、財産を保持しながら将来利息をカットして借金を減額できます。
ただし、ブラックリストに載る点や債権者の合意が必要な点、元金が減らない点には注意してください。
自分で任意整理すると、交渉力や知識不足によって失敗するリスクが高いため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
まずは各法律事務所の無料相談を利用し、アコムでの借り入れ状況について相談してみるとよいでしょう。
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